分析化学
Print ISSN : 0525-1931
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ハイドロキノンと2,4-ジニトロフェニルヒドラジンを含浸させた二連シリカカートリッジを用いる電子タバコから発生するカルボニル化合物の分析
太田 和司内山 茂久稲葉 洋平中込 秀樹欅田 尚樹
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2011 年 60 巻 10 号 p. 791-797

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抄録

電子タバコから発生する煙の成分をハイドロキノン(HQ)と2,4-ジニトロフェニルヒドラジン(DNPH)を用いた二連カートリッジ法(HQ-DNPH法)で分析し,発生する化学物質,生成メカニズム等の検討を行った.市販されている電子タバコの煙を分析した結果,ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド,アクロレイン,グリオキサール,メチルグリオキサール等,多くの有害なカルボニル化合物が高濃度で検出された.電子タバコ専用カートリッジに含まれる液体を分析した結果,主成分はグリセロールやグリコール類であった.そこで,様々なグリコール類をコイル状のニクロム線に塗布した模擬電子タバコを作製し,一定の電圧を印加し,そこから発生する気体を分析した.その結果,3 V以上の電圧を印加すると,エチレングリコールからグリオキサールが,プロピレングリコールからメチルグリオキサールが,グリセロールからアクロレインが発生することが明らかになった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry 2011
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